なめこ(ナメコ)に含まれる栄養素と期待できる効能とは?
なめこ(ナメコ)に含まれる栄養素と期待できる効能とは?
味噌汁や和え物でおなじみのなめこは、日本の食卓に欠かせないきのこの一種です。加熱しても失われない独特のぬめりが最大の特徴で、これが栄養と健康効果の源にもなっています。
本記事では、なめこの特徴とぬめり成分を解説したうえで、含まれる栄養素と期待できる健康メリットを公的データとともにご紹介します。購入後の扱い方にも触れていますので、参考にしてください。
なめこの特徴とぬめり成分
なめこ(学名:Pholiota microspora)は、ブナなどの広葉樹の倒木や切り株に発生するきのこの一種です。天然のものもありますが人工栽培が盛んで、一年を通して日本各地のスーパーマーケットに安定供給されています。
ぬめりの正体と働き
なめこの表面を覆うぬめりの正体は、ムチン様物質やペクチンといった水溶性食物繊維と、β-グルカンに代表される多糖類です。ペクチンはジャムの製造にも使われる成分として知られています。
このぬめりが果たす役割は研究段階にありますが、水分量を保ち乾燥を防ぐ働きがあるのではないかと考えられています。また、表面をぬめりで覆うことで昆虫が内部に到達しにくくなり、身を守る役割を果たしているとの指摘もあります。
なめこの栽培環境
現在、国内のスーパーマーケットに流通する商品の大半は「菌床なめこ」です。落葉樹のオガクズや米ぬかなどを混ぜて固め、殺菌した床になめこ菌を植え付けて人工培養する方法で、栽培環境をコントロールできるため一年を通じた安定供給が可能になっています。
一部には、昔ながらの原木栽培によるなめこも存在します。ブナやトチ、カエデなどの広葉樹を使い、時間をかけて栽培するのが特徴です。天然のなめこは秋を中心に採取されますが、流通量は多くありません。
食感が好まれる理由
なめこの食感は他の一般的なきのこ類とは一線を画します。シャキシャキとした歯応えの代わりに、ツルツル、プルプルとしたのど越しが特徴で、加熱調理後もぬめりが残るため、ネバネバした食感を好む人にも親しまれています。
味噌汁などとの相性がよく、ぬめりがスープに溶け出すことで天然のとろみがつきます。口当たりが滑らかになるこの特性を目当てに、日常的になめこを取り入れる人も多いです。
なめこに含まれる栄養素

なめこの栄養素はあまり広く知られていませんが、文部科学省の日本食品標準成分表(八訂)による100gあたりの成分は次のとおりです。
| 成分名 | 配合量(100gあたり) |
|---|---|
| エネルギー | 21kcal |
| 水分 | 92.1g |
| たんぱく質 | 1.8g |
| 脂質 | 0.2g |
| 食物繊維総量 | 3.4g |
| 炭水化物 | 5.4g |
| ナトリウム | 3mg |
| カリウム | 240mg |
| カルシウム | 4mg |
| マグネシウム | 10mg |
| リン | 68mg |
| 鉄 | 0.7mg |
| 亜鉛 | 0.5mg |
| 銅 | 0.11mg |
| ビタミンB1 | 0.07mg |
| ビタミンB2 | 0.12mg |
| ナイアシン(当量) | 5.5mg |
| ビタミンB6 | 0.05mg |
| 葉酸 | 60μg |
| パントテン酸 | 1.29mg |
(出典:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=8_08020_7 )
ここからは「多糖類」「ミネラル」「カロリー」の3点から、なめこの栄養素の特徴を見ていきます。
多糖類の健康効果
なめこのぬめりの主成分は多糖類です。β-グルカンや水溶性食物繊維は、健康維持に役立つ成分として近年注目されています。
β-グルカンには食後の血糖値上昇を抑える働きがあるとされ、インスリンの過剰分泌を抑えることで糖尿病予防への関与も期待されています。内臓脂肪を減らす効果も指摘されており、肥満や生活習慣病のリスク低減にもつながる可能性があります。
水溶性食物繊維は水に溶けてゼリー状になる性質を持ち、糖の吸収を抑えたり、コレステロールやナトリウムの吸収を穏やかにしたりする効果があるとされます。便の水分量を増やす働きもあり、便秘解消にも役立つ可能性があります。
ミネラルの特徴
なめこには100gあたり240mgのカリウムと10mgのマグネシウムが含まれ、ミネラルがバランスよく配合されています。これらは現代人の食生活で不足しがちなミネラルとされます。
カリウムは体内の余分なナトリウムの排出を促し、むくみ対策や血圧の調整に役立つとされます。心臓や筋肉の機能調整にも関わり、不足すると脱力感や筋力低下、食欲不振といったトラブルにつながる可能性があります。
マグネシウムは補酵素として300種類以上の酵素の働きを助けるとされる栄養素で、不足すると不整脈や虚血性心疾患、動脈硬化などのリスクが高まる可能性があります。
(出典:https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-mg.html )
低カロリーの利点
なめこは100gあたり21kcalと低カロリーで、成分の大半を水分が占め脂質もほとんど含まれません。体重管理や生活習慣病の予防・改善に役立つ可能性があるほか、カロリーを抑えながら料理にボリュームを出せる点もメリットです。ダイエット中のかさ増し食材として取り入れると、満足感を得ながら食事を楽しみやすくなります。
なめこの健康メリット

なめこの魅力は味わいだけにとどまりません。ここでは「腸内環境」「免疫サポート」「美容面」の3点をご紹介します。
腸内環境を整える作用
なめこに含まれる水溶性食物繊維と多糖類は、腸内環境を整える働きがあるとされます。便の水分量を増やすことで便通が改善され、体内の老廃物を排出しやすくなるといわれています。
β-グルカンは腸内細菌のエサとなり善玉菌を増やすとされ、善玉菌が増えることで悪玉菌の増殖が抑えられ、腸の活動が活性化しやすくなります。結果として腸内フローラのバランスが整い、病原菌の感染も抑えやすくなると考えられています。
免疫サポートの可能性
なめこに含まれるβ-グルカンやビタミンB群は、免疫のサポートに関わるとされます。
β-グルカンは免疫細胞を活性化し、免疫機能を高める効果が期待される成分です。抗がん効果に関する研究も進められ、医薬品としての開発も行われてきました。スエヒロタケ由来の「シゾフィラン(商品名:ソニフィラン)」が子宮頸がんの治療補助薬として、シイタケ由来の「レンチナン」が胃がんの治療薬として、いずれも日本で承認・製造されてきた歴史があります。
(出典:https://research.kobayashi.co.jp/glossary/beta-glucan.html )
ビタミンB群も免疫力を支える栄養素の一つです。
免疫力が低下すると感染症への抵抗力が下がりやすくなるため、風邪やインフルエンザなどの予防・重症化回避の観点からも、日常的な摂取が推奨されています(出典:https://mc-naika.com/news/health-care/mennekiryoku-eiyouso/ )。
美容面の期待
なめこには、高い保湿力を持ち化粧品にも使われる「トレハロース」が含まれるとの報告もあります(出典:https://erecipe.woman.excite.co.jp/article/E1601552892400/ )。
トレハロースには肌の乾燥を防ぐ効果や、腸内の善玉菌を増やす効果があるとされます。肌のうるおいを保つことでかゆみ・赤み・ひび割れなどの肌荒れを予防しやすくなるほか、シワ・たるみの予防を通じたエイジングケアへの関与も期待されています。
なめこの上手な扱い方

なめこの風味とぬめりを楽しむには、調理前の扱い方が重要です。ここでは洗い方や加熱法、食感を保つコツをご紹介します。
洗い方の注意点
きのこ類は基本的に水洗い不要とされますが、なめこは例外です。調理前からぬめりが出ているため、キッチンペーパーだけでは汚れを落としにくく、ザルに入れて流水で洗うとよいでしょう。
ただし洗いすぎると旨味とぬめりも一緒に落ちてしまいます。パックなめこは清潔な環境で栽培されているため、軽く水で流す程度で十分です。株つきなめこの場合は、石づきの汚れだけをさっと洗い流せばよいでしょう。
ぬめりを活かす加熱法
きのこ類全般にいえることですが、なめこも生食すると消化不良や胃腸障害を起こす可能性があるため、必ず加熱してから食べてください。加熱しすぎると風味やぬめりが損なわれるため、適度な加熱にとどめてください。
目安の茹で時間は約1分です。電子レンジで加熱する場合は、100gあたり600Wで2分程度を目安にし、ふんわりとラップをかけると加熱ムラを防げます(出典:https://macaro-ni.jp/113618 )。
調理時の食感キープ
ツルっとした食感を活かすには、調理の仕上げに近いタイミングでなめこを加えるとよいでしょう。長時間煮込むとぬめりが強くなりすぎたり、かさが崩れたりすることがあるため、他の具材を先に炒めてから最後に加え、手早く仕上げるのがポイントです。
まとめ
なめこには特有のぬめりと旨味があり、味噌汁や和え物の具材として親しまれてきました。ぬめり成分には健康に役立つとされる多糖類が豊富に含まれ、腸内環境の改善や免疫サポート、美容面への関与が期待されています。水洗いや加熱時間を最小限にとどめることが、なめこのポテンシャルを活かす調理のコツです。

