ぶなしめじ(ブナシメジ)に含まれる栄養素と期待できる効能とは?
価格が安定し一年を通じて手に入るぶなしめじは、日本の食卓に欠かせない定番食材です。名脇役として扱われがちですが、実は健康や美容に役立つ栄養素を豊富に含んでいます。
本記事では、ぶなしめじの特徴や含まれる栄養素、期待できる効能を公的データとともに解説します。スーパーマーケットでの鮮度の見極め方もあわせてご紹介します。
ぶなしめじの特徴とは?
ぶなしめじの名称は、ブナの木に生えることに由来します。広葉樹の倒木や切り株に発生するきのこを人工栽培したものがぶなしめじです。
ぶなしめじの旨味成分の特徴
食材として評価される最大の理由は、その深い旨味にあります。旨味の正体は、アミノ酸の一種である「グルタミン酸」と、核酸の一種である「グアニル酸」で、いずれも加熱時に増え、料理にコクと深みを与えます。
日本の出汁でたとえると、昆布はアミノ酸系列、鰹節は核酸系列にあたります。2つの系列を組み合わせると相乗効果が生まれ味に深みが増しますが、ぶなしめじは両方の系列の旨味を併せ持つため、他の食材を加えずとも旨味を引き出しやすいです。
鮮度を見分けるポイント
店頭でより鮮度のよいものを選ぶには、次の4点に注目してください。
全体的に小振りであること、カサが開いていないこと、軸が短くて硬いこと、弾力やハリが感じられることの4つです。大きさやカサの状態は味わいそのものを左右しませんが、弾力は特に参考になり、ハリが失われ柔らかくなっている場合は鮮度が落ちているサインといえます。
料理の名脇役になる理由
ぶなしめじは味わいにクセがなく、合わせる食材の味を邪魔しにくいです。これが料理の名脇役として活躍できる理由の一つです。
味の主張が控えめな一方、加熱してもシャキシャキとした歯応えが残り、料理のアクセントにもなります。炒め物だけでなく、鍋物、天ぷらなどの揚げ物、和え物としても美味しく食べられる汎用性の高さに加え、低カロリーであることから、かさ増し食材としても取り入れやすいでしょう。
ぶなしめじに含まれる栄養素

しめじには複数の種類がありますが、全国のスーパーマーケットで広く流通しているのはぶなしめじ(学名:Hypsizygus marmoreus)です。100gあたりの栄養成分は次のとおりです(出典:文部科学省食品成分データベース, https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=8_08016_7 )。
| 成分名 | 配合量(100gあたり) |
|---|---|
| エネルギー | 26kcal |
| 水分 | 91.1g |
| たんぱく質 | 2.7g |
| 脂質 | 0.5g |
| 食物繊維総量 | 3.0g |
| 炭水化物 | 4.8g |
| ナトリウム | 2mg |
| カリウム | 370mg |
| カルシウム | 1mg |
| マグネシウム | 11mg |
| リン | 96mg |
| 鉄 | 0.5mg |
| 亜鉛 | 0.5mg |
| 銅 | 0.06mg |
| ビタミンD | 0.5μg |
| ビタミンB1 | 0.15mg |
| ビタミンB2 | 0.17mg |
| ナイアシン(当量) | 6.4mg |
| ビタミンB6 | 0.09mg |
| 葉酸 | 29μg |
| パントテン酸 | 0.81mg |
免疫サポート成分の特徴
ぶなしめじには、きのこ類特有の多糖類「β-グルカン」が含まれます。近年の基礎研究では、抗腫瘍免疫応答を増強する働きが確認されています。β-グルカンは健康食品にとどまらず医薬品としての開発も進み、スエヒロタケ由来の「シゾフィラン(商品名:ソニフィラン)」が子宮頸がんの放射線療法の効果を高める薬剤として、シイタケ由来の「レンチナン」が胃がんの治療薬として、いずれも日本で承認・製造されてきた歴史を持ちます。
また、β-グルカンにはウイルスの侵入を防ぐ「IgA抗体」の産生を促す可能性も指摘されています。IgA抗体は細菌やウイルスの毒素を無毒化し、感染症の発症リスクを軽減する抗体とされ(出典:https://www.rakuten.ne.jp/gold/pycno/special/about_glucan.html )、ぶなしめじを日常的に摂取することが、風邪やインフルエンザの予防につながる可能性があります。
食物繊維の種類と働き
ぶなしめじ100gあたり3.0gと豊富な食物繊維を含む点も特徴の一つです。食物繊維は「水溶性」と「不溶性」に分かれ、ぶなしめじに多いのは、水分を吸収して膨張し腸を刺激することで便通の改善を促す不溶性食物繊維です(出典:https://magokoro-care-shoku.com/column/what-is-shimeji-nutrition/ )。
食物繊維には、発がん性物質やアレルギー物質など人体に有害な物質の排出を助ける働きがあるとも言われています。全体の食物繊維3.0gのうち0.5gは水溶性食物繊維が占め、血糖値の急激な上昇やコレステロールの吸収を抑える効果が期待されます。腸内環境を整える役割も持ち、糖尿病や動脈硬化といった生活習慣病の予防にも役立つ可能性があります。
ビタミン類のバランス
ぶなしめじは100gあたりビタミンB1を0.15mg、ビタミンB2を0.17mg、ビタミンDを0.5μg含み、バランスよく配合されています。
ビタミンB群はエネルギー代謝を助け、疲労回復や皮膚・粘膜の健康維持に関わります。不足すると脚気やウェルニッケ脳症のリスクが高まるほか、口角炎や舌炎、角膜炎の原因になることもあるとされます(出典:https://alinamin.jp/tired/effects-of-vitamin-b-complex.html )。
ビタミンDはカルシウムのバランスを調整する役割を持ち、欠乏すると血液中のカルシウム濃度が下がり骨軟化症を引き起こすことがあります。動脈硬化や腎機能障害との関連も指摘されており、食生活からの積極的な摂取が推奨されています(出典:https://www.taisho-kenko.com/special/vitamin-mineral/vitamin-d/ )。
ぶなしめじの健康へのメリット
ここでは「腸の働きを助ける作用」「抗酸化成分」「代謝アップ」の3点から、ぶなしめじの健康へのメリットを見ていきます。
腸の動きを助ける作用
不溶性食物繊維は腸内の水分を吸収して膨張し、ぜん動運動を促すことで便秘の解消に役立つ可能性があります。β-グルカンも同様に、有害物質や老廃物の排出をサポートするとされます。
食物繊維は腸内の善玉菌のエサにもなり、乳酸菌などの有益な菌を増やす効果が期待できます。善玉菌が増えることで腸内フローラが整い、腸全体の健康維持にも役立つと考えられています(出典:https://www.ohara-ch.co.jp/meitantei/vol03_7.html )。
美容を支える抗酸化成分
ぶなしめじが持つエルゴチオネインとビタミンB群は、いずれも美容に関わる成分とされます。特に強い抗酸化作用を持つエルゴチオネインは研究が進んでおり、化粧品成分として配合される例も増えています。
肌の酸化はシミ・シワ・たるみの一因とされ、紫外線やストレス、食品添加物などにより生じる活性酸素を完全に防ぐことは難しいです。抗酸化成分を効率よく取り入れることが、エイジングケアの鍵になるとされます(出典:https://www.noevir.co.jp/skincare/skin_feature/2410/index.htm )。
代謝アップに関わる要素
代謝アップに関わる成分として、ぶなしめじ100gあたり合計0.32mgのビタミンB群が挙げられます。ビタミンB1は糖質の、ビタミンB2は脂質の代謝を助ける補酵素として働きます(出典:https://www.morinaga.co.jp/protein/columns/detail/?id=96&category=beauty )。
ビタミンB群が不足すると代謝が落ち、疲労を感じやすくなったり体重・体脂肪が増えやすくなったりする可能性があります。反対に代謝が上がると、免疫力向上や新陳代謝の促進につながり、全身の健康をサポートすると考えられています。
ぶなしめじの鮮度を見極めるポイント
ぶなしめじは鮮度が落ちやすい食材でもあります。ここでは高品質な商品を見極めるポイントをご紹介します。
かさの張りで判断する方法
かさが閉じてピンと張った状態は鮮度がよいサインです。反対に、かさが開いていたり粘り気が出ていたりする場合は鮮度が落ちている可能性が高いです。
袋や石づきの状態も参考になります。ぶなしめじは出荷後も呼吸を続けているため、袋の中の水滴が多いほど鮮度が落ちていると考えられます。石づきはしっかりしていて湿り気がないものほど新鮮です。
においでわかる状態チェック
鮮度が高い場合はほのかな香りにとどまり、臭みはほとんどありません。鮮度が落ちるとアルコールのような強い匂いを発し、腐敗が進むと酸っぱさを伴う悪臭がすることもあります。
刺激臭を感じた場合は食用に適さないため、食あたりを避けるためにも廃棄することをおすすめします。香りが気になる場合は、調理に料理酒を使うとくさみが和らぎやすくなります。
茎の色から判別するコツ
茎の色も鮮度判別の手がかりになります。新鮮なものは白っぽい、あるいは薄い茶色をしていますが、鮮度が落ちると濃い茶色や赤みがかった色に変化します。かさ、におい、色を総合的に見て、鮮度のよいものを選びたいところです。
まとめ
ぶなしめじは、スーパーマーケットで手軽に入手できるヘルシーで栄養価の高い食材です。β-グルカンや食物繊維、ビタミンB群など健康・美容に関わる栄養素を豊富に含み、日々の食生活に取り入れやすい「名バイプレーヤー」として活用できます。

