エリンギに含まれる栄養素と期待できる効能とは?

コリコリとした独特の食感で人気のエリンギは、炒め物や煮物などさまざまな料理で存在感を発揮しますが、その魅力は味わいだけではありません。本記事では、あまり知られていないエリンギの栄養素と期待できる効能を、公的データとともに解説します。鮮度を保つ保存方法もあわせてご紹介します。

エリンギの独特な食感と魅力

エリンギ(学名:Pleurotus eryngii (DC.) Quel.)は、太くまっすぐな軸を持つ、独特の食感が魅力のきのこです。全国のスーパーマーケットや青果店で手ごろな価格で購入できることもあり、近年人気が高まっています。

エリンギ特有の歯応えが生まれる仕組み

エリンギといえば、アワビやまつたけにたとえられることもあるコリコリとした食感が特徴です。この歯応えは、豊富な食物繊維によって支えられています。

軸に含まれる食物繊維がしっかりとした細胞の骨格を作り、加熱しても崩れにくい構造を保つことで、独特の食感が生まれます。ヘルシーでありながら食べ応えを感じやすいため、ダイエット中に肉や魚介の代わりとして活用されることもあります。

ステーキ風に仕上げる焼き方のコツ

特有の歯応えを活かすなら、厚切りにして焼くステーキ風の調理がおすすめです。繊維に沿って軸を縦に、半分にカットすると、ダイナミックで濃厚な味わいを楽しめます。

下ごしらえでは側面に斜めの浅い切り目を入れると、歯応えを残しつつ噛み切りやすい食感に仕上がります。水っぽくならないよう、調理時の水洗いは避けてください。

加熱時は、エリンギに重し代わりのフタを乗せてフライパンに押し付けるように焼くのがポイントです。中火で表裏をそれぞれ3分程度焼き、水気が出たらフタを外し、強火で仕上げます。水分を飛ばすことを意識すると、香りと食感の両方が引き立ちます。

切り方で変わる味わい

エリンギは切り方によって食感や味わいの印象が変わります。調理法ごとのおすすめの切り方は次のとおりです(出典:https://tokubai.co.jp/news/articles/5634 )。

切り方 おすすめの調理法
縦の薄切り 炒め物、煮物、炊き込みご飯
縦切り 炒め物、ステーキ
短冊切り 炒め物、スープ
乱切り 煮物、カレー
斜め切り 炒め物、煮物
輪切り ソテー、炒め物、揚げ物
さいの目切り 煮物、スープ
手で割く 炒め物、パスタ、味噌汁

いくつかの切り方を試し、好みの組み合わせを見つけてみるのもよいでしょう。

エリンギに含まれる栄養素

エリンギは低カロリーで栄養価が高く、現代人に不足しがちな栄養素も多く含みます。文部科学省の日本食品標準成分表(八訂)による100gあたりの主要成分は次のとおりです。

成分名 配合量(100gあたり)
エネルギー 31kcal
水分 90.2g
たんぱく質 2.8g
脂質 0.4g
食物繊維総量 3.4g
炭水化物 6.0g
ナトリウム 2mg
カリウム 340mg
カルシウム 微量
マグネシウム 12mg
リン 89mg
鉄 0.3mg
亜鉛 0.6mg
銅 0.1mg
ビタミンD 1.2μg
ビタミンB1 0.11mg
ビタミンB2 0.22mg
ナイアシン(当量) 6.7mg
ビタミンB6 0.14mg
葉酸 65μg
パントテン酸 1.16mg

(出典:文部科学省食品成分データベース, )

ここからは「低脂質・低糖質」「ミネラル」「食物繊維」の3点を見ていきます。

低脂質・低糖質の特徴

100gあたりわずか31kcalという低カロリーで、全体の90%以上を水分が占めるヘルシーな食材です。食事の満足感を得るためのかさ増し食材としても活用しやすいでしょう。

糖質の少なさもメリットの一つです。糖質を抑えることで食後の血糖値上昇を穏やかにし、インスリンの分泌量を抑えられるとされます。結果として体脂肪が蓄積されにくくなり、肥満や生活習慣病の予防につながる可能性があります(出典:https://www.glico.com/jp/powerpro/diet/entry06/ )。

ミネラルの働き

エリンギには、100gあたり340mgのカリウムが含まれます。カリウムはナトリウム(塩分)の排出を促す必須ミネラルで、余分な塩分の排出を通じて高血圧の予防に関わるとされます。

心臓や筋肉といった生命維持に欠かせない機能を正常に保つ働きもあり、食生活が乱れがちな人ほど意識して摂取したい栄養素といえます(出典:https://furunavi.jp/discovery/knowledge_food/202410-king_trumpet_mushroom/ )。

食物繊維による健康効果

食物繊維総量は100gあたり3.4gと豊富に含まれます。食物繊維は消化されにくく大腸まで届く成分で、便秘の予防・改善、血糖値の上昇抑制、コレステロール値の管理など、幅広い機能が知られています。

食物繊維は肉類や魚介類にはほとんど含まれず、現代人の食生活では不足しがちな栄養素とされます。食事に意識的に食物繊維を追加することが望ましいとされており、エリンギはその選択肢の一つになり得ます(出典:厚生労働省 健康日本21アクション支援システム, https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-05-001 )。

エリンギの健康効果

ここでは「脂肪燃焼」「腸内環境」「美容」の3点から、エリンギに期待できる健康効果を見ていきます。

脂肪燃焼に関わる成分

エリンギには食物繊維の一種である「β-グルカン」が含まれます。免疫機能のサポートに加え、脂肪代謝への関与についても研究が進められている多糖類です(出典:https://furunavi.jp/discovery/knowledge_food/202410-king_trumpet_mushroom/ )。脂肪燃焼が促進されれば、肥満の予防や改善につながる可能性があります。

β-グルカンの摂取により血糖値の急激な上昇を抑えられるとされ、糖尿病予防への関与も期待されています(出典:https://www.rakuten.ne.jp/gold/pycno/special/about_glucan.html )。

腸内環境を整える作用

β-グルカンには腸内環境を整える作用もあるとされます。食物繊維は腸内細菌のエサとなり善玉菌を増やす効果を持ち、善玉菌の比率が高まることで腸が活性化し、病原菌の感染予防にも役立つと考えられています。

食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、エリンギに多いのは不溶性食物繊維です。腸内の水分を吸収して便を膨張させ、腸を刺激して排泄を促す役割を担います。

美容に寄与する栄養素

エリンギにはアミノ酸やビタミンDが豊富に含まれ、美容面への関与が期待されます。アミノ酸はコラーゲンの構成成分であり、補給することで肌のハリやうるおいを引き出す可能性があります。ビタミンDは骨の健康維持や肌細胞の再生に関わるとされます。

抗酸化成分を含む点もエリンギの魅力の一つです。抗酸化成分は肌の劣化に関わる活性酸素の働きを抑えるとされ、日々の食生活を通じたエイジングケアにつながる可能性があります(出典:https://chibanian.info/20240502-729/ )。

エリンギの鮮度と保存のコツ

エリンギは手軽に入手できる一方、デリケートな食材でもあります。ここでは鮮度の確認方法と保存のコツをご紹介します。

切り口で判断する鮮度

切り口が白くみずみずしいものは鮮度が高いです。茶色く変色していたり、乾燥してパサついていたり、液体が滴っていたりする場合は鮮度が落ちているサインです。

かさの状態も参考になります。かさが外側に開いていたり裏側が変色していたりする場合は収穫から時間が経っていると考えられ、かさが開きすぎず内側に巻いたものを選ぶとよいでしょう。

空気に触れさせない保存法

エリンギは乾燥にも湿気にも弱いため、冷蔵保存の際はできるだけ空気に触れさせないよう工夫したいところです。水洗いをしないこと、キッチンペーパーで包むことの2点がポイントです。

きのこ類は基本的に水洗い不要で、そのまま保存・調理できます。水洗いすると水分が内部に浸透し劣化を早めるおそれがあります。パックから出した後はキッチンペーパーに包んでポリ袋に入れると、空気を遮断しつつ余分な水分も吸収できます。

エリンギの目安の賞味期限は購入から約1週間とされます。それ以上保存したい場合は冷凍がおすすめです(出典:https://furunavi.jp/discovery/knowledge_food/202410-king_trumpet_mushroom/ )。

冷凍する際の適切なカット

冷凍する場合は、大きめにカットしてから保存袋に入れるとよいでしょう。細かく切ると空気に触れる断面が増え、鮮度を保ちにくくなります。縦半分にカットしてかさばりを減らし、水洗いせずに冷凍するのがポイントです。

エリンギは冷凍状態でも比較的柔らかく、完全に解凍しなくても包丁でカットできます。必要な分だけ切り出し、残りはそのまま冷凍しておけます。冷凍保存の目安は約1か月で、特売時にまとめ買いして保存するのもおすすめです(出典:https://www.nichireifoods.co.jp/media/14739/ )。

まとめ

エリンギは、低カロリー・低脂質・高食物繊維という特性に加え、ビタミンDやβ-グルカンといった栄養素を含む食材です。ダイエットはもちろん、健康維持や美容を意識した食生活にも取り入れやすいでしょう。切り方を工夫することで食感の印象も変わるため、調理法に合わせて使い分けてみてください。

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