ヤマブシダケのヘリセノンとは?ヤマブシダケに含まれる成分と効果とは?
ヤマブシダケは、独特の外見と豊富な栄養価に注目が集まっている食用きのこです。特にヘリセノンと呼ばれる成分には、神経成長因子の産生を促進する可能性があるとされており、脳の健康維持に役立つのではないかと期待されています。この記事では、ヤマブシダケの特徴や効果・効能、そして入手経路などをわかりやすく解説します。
ヤマブシダケの成分と基本作用
ヤマブシダケは、伝統的に食用として親しまれてきたきのこの一種です。近年では、その機能性成分が科学的に研究されており、栄養面の効果も注目されています。まずは名前の由来や基本作用などの概要をチェックしましょう。
ヤマブシタケ/ヤマブシダケとは?見た目・山伏にまつわる由来と分類
ヤマブシダケ(学名:Hericium erinaceus)は、サンゴハリタケ科サンゴハリタケ属に分類される食用きのこです。全体が白く、細長い針状の突起が密集した球状の外見が特徴的で、大きく育ったものは直径20cmほどにもなります。山伏が着る袈裟の飾りに似た外見をもつことに由来して、この名称が定着しました。
日本国内のみならず、中国やヨーロッパ、北米、北アフリカなどの広葉樹に自生していますが、天然物は少なくなっており、生の状態で入手するのは困難です。しかし、近年では人工栽培の技術が確立されました。現在も入手困難な状況は続いていますが、以前と比べると小売店などの店頭で見かける機会が増えています。
ヘリセノンの定義と化学的性質 — ヤマブシダケに含まれる成分とは
ヘリセノンとは、ヤマブシダケから発見された成分です。ヤマブシダケに特徴的に含まれる成分として知られ、近年さまざまな研究が行われています。
ヘリセノンとは、神経成長因子(NGF)との関連が研究されている成分の1つです。一部の研究では神経細胞との関連について検討されていますが、その作用機序や人における効果については引き続き研究が進められています。
科学的根拠は?ヤマブシダケの効果・効能

ヤマブシダケは多くの栄養を含むきのこですが、中でも注目されているのは、先述したヘリセノンです。ここでは、ヘリセノンが脳に作用するメカニズムや、免疫力・抗酸化などへの影響について解説します。
脳への作用メカニズム
ヘリセノンは、NGFの産生を促進する可能性が報告されています。NGFとは、神経細胞の成長や維持、修復に不可欠なものです。加齢によって減少しますが、ヘリセノンの摂取により補えると考えられています。また、若い脳細胞のNGF活性効果にも期待されており、神経ネットワークを維持できる可能性があります。
また、ヤマブシダケに含まれる「エリナシン」も、アルツハイマー型認知症の進行を遅らせるのではないかと期待がかけられている物質です。エリナシンは、ヘリセノンとともにNGFの生成を促進させると考えられています。認知症の原因のひとつに、脳内の神経伝達を担う「ニューロン」の減少があるのではないかと指摘されていますが、NGFはニューロンの減少を防ぐ可能性があります。これにより、認知症の進行を抑えたり、発症を予防したりする可能性があると考えられているのです。
ヘリセノンとNGF促進、神経分泌の関係

ヘリセノンはNGFの生合成と分泌を促す性質をもちます。ヘリセノンによって促進されたNGFは、神経細胞のシグナル伝達を活性化し、構造変化をもたらす可能性が高いです。
分泌されたNGFは、神経細胞の表面にある受容体と結合し、細胞の内部でシグナル伝達が始まります。結果として経路が活性化され、神経細胞が神経伝達物質を適切に放出できるようになるのです。さらに、情報を受け取るための神経ネットワークも引き伸ばされ、記憶力や学習能力、認知機能の維持・改善につながると考えられています。
免疫力や抗酸化(活性酸素除去、SOD様活性)への影響
ヤマブシダケに含まれる多糖類のβ-グルカンは、免疫細胞を活性化して、免疫力を向上させる効果があるとされています。特に「ガラクトキシログルカン」と「マンノグルコキシラン」は、そのほかのきのこには含まれない多糖類です。この2つは、β-グルカンの中でも抗がん作用の可能性が報告されており、健康の維持に役立つ可能性があります。
また、活性酸素を除去する効果があるとされることも、ヤマブシダケを摂取するメリットです。活性酸素は、多くの現代病に関わるといわれています。活性酸素を除去する役割を担うSOD様値が高いことも特徴とされており、脳の活性化に役立つ可能性が高いでしょう。
ヤマブシダケはどこで売っている?

ヤマブシダケは生鮮食品としてスーパーマーケットなどの店頭に並ぶこともあれば、加工品として流通することもあります。しかし、私たちの食生活において定番の食材とまではいえず、どこで購入できるのかわからずに悩んでいる方も多いでしょう。ここでは、ヤマブシダケの入手経路について解説します。
スーパーに売っている?
生の商品は、一部のスーパーマーケットや直売所などで販売されることがあります。しかし、流通数は決して多いといえず、継続的に入手するのは困難な希少品です。一般的な大手スーパーマーケットの店頭に並ぶ機会はほとんどなく、店頭で見かけたらラッキーと考えなければなりません。
比較的入手しやすいのは、栃木県など主な生産地から近い、道の駅などの直売所です。これらの施設は、地元のきのこ農家から商品を直接仕入れるため、ヤマブシダケなどの希少なきのこを購入できる可能性があります。ただし、収穫できる時期は例年9~11月とごく一時期に限られ、常時購入できるわけではありません。
通販で買えるもの
通販では、国産の生鮮品に加えて、乾燥品や粉末、サプリメントなど多様なタイプのヤマブシダケが販売されています。楽天やAmazonなどの大手ECサイトのほか、専門店の公式HPなどから購入できるため、地元のスーパーマーケットなどで見つからない場合は、通販サイトをチェックすると良いでしょう。
生のきのこ・乾燥・粉末の違い
生のものは鮮度が良く、さまざまな調理に活用でき、特有の香りや味わいを楽しめることがメリットです。ただし、ヤマブシダケは希少性が高いきのこであるため、販売価格が高くなりやすい点には注意しなければなりません。また、保存期間が短く、購入後はできるだけ速やかに食べ切る必要があります。
一方の乾燥品・粉末品は、長期保存して好きなタイミングで摂取できることがメリットです。乾燥品の場合は水に戻して、粉末の場合はそのまま飲み物や料理に混ぜて使えます。また、生の状態と比べて販売価格が安く、気軽に購入しやすいことも魅力的でしょう。
商品チェックポイント(原料表記・粉末の品質・サプリの濃度)
商品を購入する際は、パッケージや商品説明欄に記入されている、産地や使用農薬などの情報をチェックしましょう。高品質な商品を購入したい場合は、国産を選ぶのがおすすめです。また、健康と安全を強く意識する場合は、栽培期間中に農薬を用いていないヤマブシダケを購入することをおすすめします。
粉末を購入する場合は、ヘリセノンなどの有効成分がどのくらい含まれているのかをチェックしましょう。有効成分の配合量が少ない商品や、そのほかのきのこや食材が多く使われている商品を選ぶと、満足感が得にくくなる可能性があります。第三者認証などにより、エキス濃度が客観的に証明された商品を選ぶと安心です。
また、粒子の細かさにも注目すると、さらに高品質な商品を選びやすくなります。粒子が細かければ細かいほど水中に溶けやすく、ドリンクやスープ、鍋物などに混ざりやすくなります。口当たりの良さやおいしさも重視する場合は、できるだけ粒子が細かい商品を選ぶのがおすすめです。
ヤマブシダケで健康を目指すために

ヤマブシダケには、ヘリセノンのほかにも多くの栄養素が含まれています。現在は研究途上の段階にあり、今後さらなる効果が発見される可能性もあるでしょう。ここでは、健康食品としてヤマブシダケを取り入れることを前提として、期待できる効果や今後の研究における注目ポイントを解説します。
期待できる効果とその限界
これまでの研究により、次のような効果が期待できると考えられています。
<ヤマブシダケから期待できる主な効果>
・アルツハイマー型認知症の予防
・生活習慣病の予防
・免疫力の向上
・健康のトータルサポート
ヘリセノンの活躍により、認知症を予防する可能性があると指摘されていることは、先述したとおりです。NGFの生成を促進して、脳内の伝達情報をスムーズにすることにより、認知症の進行を遅らせると考えられています。
生活習慣病の予防効果にも要注目です。食物繊維には、発がん性物質の排出や、血中の悪玉コレステロールを低下させる効果があります。これにより、肥満・動脈硬化・高脂血症といった生活習慣病を予防したり、改善したりする効果も見込めるでしょう。
また、β-グルカンには、免疫細胞を活性化させる効果があります。これにより、風邪などの感染症を予防したり、アレルギー症状を改善したりする可能性があるでしょう。また、ガラクトキシログルカンなどの特有の多糖類には、高い抗がん作用があると考えられており、研究が進められている最中です。
さらに、健康面をトータルサポートする効果にも期待がかけられています。ミネラルやビタミンなども豊富に含まれるため、これらが欠乏することによって誘発される疾患や体調不良を防ぎやすいと考えられるのです。
今後の研究・注目ポイント
今後の研究における注目ポイントは、何といってもヘリセノンです。現在も基礎研究が進められている途中であり、認知症の治療薬・特効薬が開発されることも夢ではありません。
一例として九州大学では「抗神経疾病作用を有するヤマブシタケ特有成分ヘリセノン類の作用機序解明」と題した研究を進めています。研究期間は2025年4月~2028年3月までを予定しており、医薬や機能性食品への発展に対する科学的根拠を築くことを目的としています。
この研究には補助金が支給されており、政府としても研究に期待を込めている可能性が高いです。今後の研究でより確かな効果が確認された場合は、ヤマブシダケを用いたサプリメントなどの健康食品も増えるでしょう。高齢化が進む日本では、認知症患者のさらなる増加が危惧されますが、ヤマブシダケがこのような問題を解決する救世主となる可能性があります。
まとめ
ヤマブシダケがもつ固有の成分であるヘリセノンは、NGF促進を通じて、脳の健康維持に役立つ可能性があります。認知症予防を実現する可能性も示唆されており、九州大学などの専門機関が基礎研究を続けている最中です。
さらなる科学的根拠が認められると、ヤマブシダケを使用したサプリメントなどの健康食品が、私たちにとって身近な存在となる可能性もあるでしょう。話題性を先取りして、健康な生活を送りたい方は、ヤマブシダケを食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

