エルゴチオネイン化粧品の抗酸化作用とエイジングケア最新研究
シワやシミ、乾燥に悩む肌に、なぜ今「キノコ由来の抗酸化成分」が選ばれ始めているのでしょうか。エルゴチオネインは、キノコ由来の強力な抗酸化成分であり、エイジングケアにおいて注目度を高めています。
本記事では、エルゴチオネインの基本的な性質から、公的機関・企業による研究で報告されている効果、実際に配合された化粧品の選び方までを、出典を示しながら整理します。
エルゴチオネイン化粧品の魅力とは?

エルゴチオネイン化粧品で何よりも大きな魅力となるのは、強い抗酸化作用が期待できることです。ここでは成分の基本知識と、エイジングケアにおいて果たすと考えられる役割を見ていきます。
エルゴチオネインの基本知識
1909年にライ麦の麦角菌から発見されたエルゴチオネインは、たもぎ茸やヒラタケなどのキノコ類や、自然界にある細菌が合成する含硫アミノ酸です。人間の体内では合成できないため、食品やサプリメントを取り入れたり、化粧品を用いたりする方法で摂取します。
水溶性で熱や酸に強く、120℃で2時間加熱してもほとんど分解しない安定性が特徴とされています。体内では肝臓、腎臓、赤血球、皮膚などに蓄積され、特に抗酸化作用が注目されています。
重要なキーワード「抗酸化作用」とはなにか
エルゴチオネインは、ビタミンBやビタミンC、グルタチオンといった成分と比較しても高い抗酸化作用を持つとされ、フリーラジカルを無力化する働きが期待されています。この作用により、遺伝子(DNA)の損傷や過酸化脂質の発生を抑えやすくなり、エイジングケアや生活習慣病予防、免疫機能の維持、疲労軽減といった効果につながる可能性があります。
エイジングケアにおけるエルゴチオネインの役割
エイジングケアにおいて、エルゴチオネインは肌の酸化を防ぐ役割を果たします。
紫外線によるダメージが肌老化を進める「光老化」を抑制できる可能性がある点もポイントで、角質層へ浸透しやすい特性を活かし、化粧品に配合することで保湿力やハリの向上が期待できるとされています。百貨店ブランドの化粧品メーカーであるアクセーヌ株式会社は、公式サイトでエルゴチオネインについて「紫外線によって発生する活性酸素に働きかけて、乾燥・肌荒れを改善する」と説明しており(出典:アクセーヌ, https://www.acseine.co.jp/shop/pages/counseling_ingredient_detail_503.aspx )、これは主に30代以降のエイジングケアに適した成分として注目される理由の一つとなっています。
最新研究が明らかにする効果

比較的新しく発見された成分であるエルゴチオネインは、近年になり国内外の様々な機関が研究を進めています。ここでは、美容研究会の成果や、必要な摂取量と効能、そしてビタミンCとの相乗効果について解説します。
最近のエルゴチオネイン美容研究会の成果
2023年12月、ホクト株式会社の開発研究課は、エルゴチオネインを豊富に含むヒラタケの摂取による肌への効果を調査しました。女性参加者がエルゴチオネイン25mgを含むヒラタケ錠剤、またはプラセボを12週間毎日摂取し、血中濃度と肌水分量を測定したところ、摂取開始8週目の時点で肌水分量が高く維持されていることが確認されました。この結果から、キノコに含まれるエルゴチオネインが、紫外線や乾燥から肌を守り、うるおいの維持に寄与する可能性があるとされています。
(出典:ホクト株式会社, https://www.hokto-kinoko.co.jp/kinokolabo/kenkyu/241519/ )
エルゴチオネインの摂取量と効能
株式会社ユーグレナのコラムによると、エルゴチオネイン5mgを含むサプリメントを毎日12週間摂取した結果、被験者の言語記憶力や単純注意力の向上が見られたということです。これは、中高年の認知機能維持にも寄与する可能性を示唆する研究結果です。
(出典:ユーグレナ, https://www.euglab.jp/column/nutrition/8285.html )
なお、キノコ類に含まれるエルゴチオネインの量は次のとおりです。
| キノコの種類 | エルゴチオネイン含有量(100gあたり) |
|---|---|
| たもぎ茸 | 125.6mg |
| ヒラタケ | 27.4mg |
| エリンギ | 12.7mg |
| ハナビラタケ | 11.2mg |
| エノキタケ | 9.8mg |
| シイタケ | 9.6mg |
| ヤマブシタケ | 9.1mg |
| ヤマエノキタケ | 6.8mg |
| マッシュルーム | 3.8mg |
| 白マイタケ | 2.9mg |
これらのキノコ類を毎日欠かさずに摂取するのは難しいでしょう。また、特にアンチエイジング効果を期待する場合は、エルゴチオネインを配合する化粧品の使用も検討すると良いでしょう。化粧品では、角質層への浸透によりシワやシミの予防、肌の保湿効果が期待され、継続的な使用により、効果をさらに高められると考えられます。
ビタミンCとの相乗効果
エルゴチオネインは、ビタミンCと組み合わせることで相乗効果を発揮するとされています。ビタミンCはコラーゲン生成を促進し、メラニンの生成を抑制する一方、酸化により劣化しやすいという弱点を持ちます(出典:近畿化学協会, https://kinki.chemistry.or.jp/pre/a-421.html )。エルゴチオネインの強力な抗酸化作用は、ビタミンCの酸化を防ぎ、その効果を長く持続させます。
エルゴチオネイン配合化粧品の選び方

研究が進むにつれてエルゴチオネインの可能性が明らかになり、これを配合する化粧品を扱うメーカーも増えています。ここでは、特に人気の高い化粧品をランキング形式でご紹介するほか、美容液が持つ特徴や、安全性を考えた商品の選び方を解説します。
人気のエルゴチオネイン化粧品の例
代表的なエルゴチオネイン配合化粧品として、次の3製品が挙げられます(価格や仕様は変動する可能性があるため、購入前に必ず公式サイトで最新情報を確認していただきたいです)。
ナールス ネオ
ナールス ネオは、肌のハリとツヤをサポートする「ナールスゲン」を配合する化粧品です。スイスで開発された新しい化粧品成分「ネオダーミル」や、浸透性が高いビタミンC誘導体「APPS」などを主な成分としています。アルコールや香料、パラベンなどの添加物を配合していない点も特徴です。
| 名称 | ナールス ネオ |
|---|---|
| 主な成分 | BG、グリセリン、ペンチレングリコール、エルゴチオネイン |
| 販売会社 | 株式会社ディープインパクト |
| 価格(税込・確認時点) | 6,600円/20ml |
(出典:https://www.nahls.co.jp/Landing/Formlp/neo.aspx )
BIOAGEN ESSENCE
BIOAGEN ESSENCEは、エルゴチオネインのほか複合ペプチドやスーパープロテオグリカンなどの美容成分を配合する化粧品です。コラーゲンやヒアルロン酸の働きをサポートし、肌にハリと弾力を与え、キメを整える効果が謳われています。無香料で、肌への刺激となる成分の配合を避けている点も特徴です。
| 名称 | BIOAGEN ESSENCE |
|---|---|
| 主な成分 | メチルグルセス-20、キサンタンガム、エルゴチオネイン、アルギニン |
| 販売会社 | トキリン |
| 価格(確認時点の参考情報) | 17,600円/35ml |
(出典:https://bioagen.shop/products/essence )
アミノローションSP DX
アミノローションSP DXは、エステサロン用に開発された「アミノローションDX」に4種類の新成分を追加した、プロ仕様の高保湿ローションです。酵母(サッカロミセス溶解質エキス)由来の17種類のアミノ酸に、エルゴチオネインなどの成分を加え、保湿力と美肌効果を高めているとされています。
| 名称 | アミノローションSP DX |
|---|---|
| 主な成分 | エルゴチオネイン、チャ花エキス、加水分解ヒアルロン酸、加水分解コラーゲン |
| 販売会社 | エビス化粧品 |
| 価格(確認時点の参考情報) | 11,000円/310ml |
(出典:https://www.ebis-cosme.co.jp/ ※製品個別ページのURLは確認できなかったため、公式サイトのトップURLを記載)
エルゴチオネイン配合の美容液とは?
エルゴチオネイン配合美容液は、低分子量で角質層の奥まで浸透し、抗酸化作用によって肌の酸化を防ぐことが特徴とされています。コラーゲン生成を促す成分と組み合わせた製品は、シワやたるみの予防に適しているとされ、保湿力の高さから乾燥肌対策にも向いています。ベタつきが少なく肌なじみが良いとされる製品が多い点も特徴です。
安全性を考えたエルゴチオネイン化粧品の選び方
化粧品は地肌に直接塗布して使用するため、商品を選ぶ際は安全性も重視しましょう。まず成分表示を確認し、エルゴチオネインが十分に配合されているかを見てみましょう。パラベンやフェノキシエタノールといった防腐剤や、ラウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤、香料などが使われている場合は注意が必要です。そのうえで、臨床試験による安全性の裏付けや皮膚科医の推奨があるか、評判・口コミで使用感やトラブルの有無を確認すると、より安心して選べます。
エルゴチオネイン化粧品の将来の展望
エルゴチオネインが注目度を高めたのは近年であり、エルゴチオネイン配合化粧品は今後もさらにバリエーションを増やすことが期待されています。ここでは開発動向、市場ニーズ、今後の可能性をご紹介します。
エルゴチオネイン化粧品の開発動向
複数の企業がエルゴチオネイン化粧品の開発と販売に取り組んでおり、2011年以降、天然物由来のエルゴチオネインを化粧品に応用する研究が進んできたとされています。クレンジング、化粧水、美容液、日焼け止めなど幅広い製品への配合が進んでおり、今後は頭皮や髪のエイジングケアへの応用も見込まれています。
新製品の予測と市場のニーズ
市場では、エイジングケアや抗糖化を求める30代以上の消費者ニーズが高まっており、エルゴチオネイン配合のオールインワン化粧品や機能性表示食品が増加中です。「記憶の番人」に代表される、たもぎ茸由来の成分を配合したサプリメントも登場しており、美容と健康を両立する製品が今後さらに増えると予測されます。
エルゴチオネイン化粧品の可能性と課題
エルゴチオネインは、認知機能や美肌への効果に加え、髪へのアプローチなど幅広い可能性を持つ成分とされる一方、生産コストの高さやキノコ類からの抽出効率の低さは製品化に向けた課題として残ります。培養や発酵技術の進歩により生産コストが下がれば、より手頃な価格での製品展開が期待できるでしょう。
まとめ
エルゴチオネインは、強力な抗酸化作用と安定性を持つ成分です。ホクト株式会社の研究など、肌のうるおいに関する知見も蓄積されつつあり、これを配合する化粧品も増えてきました。天然由来の成分であることから、特に30代以降のスキンケアの選択肢として注目されています。
技術革新が進めば、今後さらに製品の多様化が期待できるでしょう。

